なぁ平次
アタシ、あの言葉が、ずっと、耳から離れへんよ。
アンタは結局、はぐらかしたけど、
証拠なん、確かにないけど、
ずっと、心に残ってる。
『オレの和葉』
オレの和葉
オレの和葉
オレの和葉…
アタシ、いつから、アンタのもんになったん。
アタシの告白、聞いてくれへんかったくせに。
子分なんて、言うとったくせに。
ちょっと、期待してしまってええんかな…？
けどな、
そういう大事なことは…
ちゃんと、目を見て言うてや。
ほんで、アンタは、
誰のもんなん？
「平次のアホ…」
「あー？なんやねん、アホて！」
「アホやん！そんな顔に傷作って」
「しゃーないやんけ。イキナリあいつら殴りかかってきよったんやで」
「アンタが悪いわ
ほんま、すぐに熱くなるん、どうにかならんのか？」
「うるさいわ」
「気ぃつけてや…
アタシの平次なんやから…」
「あ？なんやて？」
「え？なんか言うたか？アタシ」
「聞こえんかったけど」
声に…出とったん？
何言うとるん！アタシ。
聞こえてないんなら…よかったけど…。
いや、
聞こえるように言うたほうがよかったんかな。
「はは」
「な、なんやねん！急に笑いだして気色悪いな！」
「やって…」
アタシの平次、て。
なに図々しいこと言うとるん！
アタシ、アホちゃうか！
けど、先に言うたの平次のほうなんやから、
お互い様やで。
また、聞かせてくれへんかな…。
「なぁ平次。大事なことは、ちゃんとアタシの目を見て言うてよ」
「はぁ！？別にお前に言うことなんないわ」
「ふーん…」
まぁ、ええわ…。
証拠なん、ないけど、
心にずっと残ってるから。
願わくは、
いつか…。
『アンタは誰のもんなん？』
って聞いたときには
『和葉のもんや』って言うて笑って。
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