Time after teime

いらっしゃいませ

ホットミルク

「なぁ和葉。オレ、お前のこと好きやで」

「えっ、ほんま?ほんまに言うとる!?」

「ほんまほんま」


そう言うて、平次は優しく微笑むと、
ぎゅうっとあたしを抱きしめてくれた。

「なんであんた今日そんなに優しいん?」


そう、口に出したところでー…

 

 


目が覚めた。


「なんや、夢やん…」


そうや、きのうは携帯を握りしめたまま、着替えもせんと寝てしまった。

平次からの、メールの返信を待ちながら…。


ふと、時計を見ると

2時22分。

「あ、ゾロ目でなんかいいことありそうやな」


あんな夢見たせいで、もう寝られへんくなってしまったやん…

平次はもう、寝てるよな…


メールの返信は、なし。


きのうはまた大滝ハンに呼ばれたゆうて遅くまで府警に出向いとったみたいや。

あんまり図々しくメールしてもいかんな、思うて
ほんの二行、


『ちゃっちゃと事件解いたか?
お疲れ様』


って、入れただけ。

返信するほどのメールでもないしなぁ…。


けど、ちょっとは期待もするで、返事ないのは地味に凹むわ。
一応、クエスチョンマーク入れとんのやで。


なんか心もひとりぼっちやわ…


やっぱり、寝られへん。

 

平次にとっての一番があたしやないことなんてわかりきってる。

そんなん考えるの今さらやで。


けどな、あたしの一番はいつだって

あんただけやもん。

 

あぁ、寝られへんのってつらいなぁ。
こういうときどないしたらええんやろ?


そうや、
あったかい牛乳飲んだらええとか聞いたことあるわ。

ホットミルク飲んで、寝よ。


んで、またあの夢の続きが見られたら最高やわ!

 

お気に入りのマグカップにミルクを注ぎ、レンジに入れる。

あたためる、その数十秒の間に、


もしかしたら…

淡い期待をして、メール問い合わせボタンを押す。


「あ!」

鳴り出した、平次専用のメール着信音。

「うそ…。返事送っとったん」


たったふたこと、

『解決したで。おやすみ』


「あはは、返信するほどのメールでもないやん」


けどな、あたしはその一行で
めっちゃ幸せ気分で布団中入れるんやで。

 

午前3時03分。


早く顔が見たい。


朝になるのが待ち遠しいでそわそわしてしまって、
結局、ホットミルク飲んでも寝られへんかもな。

 

++++++++++

『ホットミルク』 ♪吉川ひなのより
旧ドラえもん映画の主題歌聴きながら漫画描いたりしてます。
南海大冒険の主題歌がすごく可愛くて…。
最近なんだか暗い気持ちになってしまうこと多かったので、
明るい可愛いお話考えたいなって思い、この曲で妄想してみました。
 
2013/09/15 UP

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